住宅省エネ2024キャンペーンは昨年12月末をもって申請を終了しました。住宅のリフォームや設備投資に対する補助金としては非常に大きな予算があり「子育てエコホーム支援事業」「先進的窓リノベ」「給湯省エネ2024事業」は予算上限に達しないまでも順調に利用者が増えていきました。しかし「賃貸集合給湯省エネ2024事業」に関しては、185億円の予算があったにも関わらず、たった7%しか活用されませんでした。予算活用が進まなかった背景としては、以下が考えられます。
- 補助金事業者からの宣伝が賃貸オーナーに行き届いていない
- オーナー自身が、そもそもこのキャンペーンを知らない
- プロパンガス会社との給湯器貸与契約によって、必要がない人がいる
住宅の省エネ化への支援強化に関する予算案が閣議決定
物価高騰で設備や設置コストが上がっている今だからこそ、せっかく国が補助金を出してくれるのであれば利用しない手はありません。本補助事業に関しては、昨年11月に「令和6年度補正予算案」で閣議決定され、2025年の住宅省エネキャンペーンも実施されることになりました。
国土交通省による事業概要としては、「2050年カーボンニュートラルの実現に向けて住宅の省エネ化の支援強化のため、国交省及び環境省は、「ZEH水準を大きく上回る住宅(GX志向型住宅)」の新築や、子育て世帯等を対象とする長期優良住宅・ZEH水準住宅の新築を支援する新たな補助制度を創設し、賃貸住宅も含めて幅広く支援します。」とあります。
賃貸集合給湯省エネ2025事業とは
経済産業省の管轄となり、50億円の予算が割り当てられています。経済産業省の「既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業の概要」によると次のように記載されています。
事業目的
本事業は、設置スペース等の都合から、ヒートポンプ給湯機等の導入が難しい既存賃貸集合住宅向けに、小型の省エネ型給湯器(エコジョーズ等)の導入を促進することにより、第6次エネルギー基本計画における家庭部門の計画省エネ量の達成に向けた取り組みを加速させるとともにエネルギーコストの上昇に強い社会の構築につなげることを目的とする。
事業スキーム
賃貸オーナー等に対し、既存賃貸集合住宅でのエネルギー消費量を削減するために必要な省エネ型給湯器の導入に係る費用を補助。
※申請は既存賃貸集合住宅1棟あたり1台以上の取替が対象。
※申請手続きは、請負契約等を行った登録補助事業者が行い、交付された補助金をオーナー等に還元する。
対象設備
既存賃貸集合住宅におけるエコジョーズ/エコフィールへの取替。
※従来型給湯器からの取替に限る。
※賃貸集合住宅に設置する場合に限る。
補助額
追い焚き機能なし 5万円/台
追い焚き機能あり 7万円/台
※工事内容によって追加補助あり。
その他条件
2024年11月22日以降に工事に着手したものが対象。
寒い時期の「お湯が出ない」「お湯の温度が上がらない」など退去原因にもなる給湯器トラブルを未然に防ぐ、加えて、省エネ型給湯器による光熱費削減で入居者満足度を高めるためにも、補助金の予算があるうちに早めに手をつけておきたいものです。