令和4年(2022年)度の税制改正が発表され、不動産関連では「住宅ローン控除」の改正が話題です。超低金利下での逆ザヤが考慮された控除率の1.0%から0.7%への引き下げ、控除期間の原則13年間への延長、所得上限の2000万円への引き下げ、省エネ住宅への優遇制度などの変更が加わりました。ここではその他、賃貸経営者に影響しそうな改正内容をダイジェストでお知らせします。
固定資産税の据え置き特例終了
2021年の固定資産税は、地価高騰時(2020年1月)の課税評価と、直後のコロナ禍による地価下落とのギャップが考慮され、前年より税額が上がってしまう場合には前年の税額に据え置かれるというコロナ特例が設けられていました。
しかし、今回の税制改正大網では、住宅地におけるこの特例は延長されず終了することに。コロナ騒動の直前まで地価が上昇トレンドにあった地域では、ご自宅やアパートの固定資産税が上がる可能性があります。
不動産取得税等の軽減措置は延長
住宅の売買につきものの登録免許税、不動産取得税、印紙税の軽減措置は、現状のまま2024年3月末まで延長されます。省エネ住宅への優遇措置も2025年3月末まで延長です。
住宅取得等資金の贈与、非課税限度額縮小
2021年末で終了予定だった同非課税特例も2年間延長となりました。しかし、非課税限度額は500万円引き下げられ、省エネ住宅等で1000万円、それ以外の住宅で500万円までとなります。成人年齢の引き下げに伴い、贈与を受けられる年齢も18歳からに変更です。
相続・贈与の一体的課税は見送り
最も注目されていた「暦年贈与廃止」の是非については、今回見送りとなりました。しかし、国としては相続と贈与を一体的に課税する方向で議論を進めており、近年中に何らかの改正はあるものと見られます。引き続き動向を注視するとともに、早めの相続対策や生前贈与の検討を進めるべきでしょう。