4月・5月は“一人暮らしデビュー”の影響もあり、騒音トラブルの増える季節。そうした音の問題を最初から避けられる防音性の高い物件が人気ですが、さらに防音性を突き詰めた「防音室」のある部屋にも注目が集まっています。
時代と共に拡大する防音室ニーズ
防音室と聞いて、まず思いつくのは“楽器演奏”です。それだけでなく近年は、YouTuberを代表とした“WEB配信”の文化の登場によってニーズが一変。トーク、歌、ダンス、ゲーム実況、果ては勉強風景まで、あらゆるものが配信コンテンツとなり、誰でも手軽に動画の投稿やライブが可能となった現在、練習にも収録・配信にも活用できる防音室のニーズが拡大しているのです。
また、コロナ禍以降は「自室でどう過ごすか」に焦点が当てられるようになり、気兼ねなく趣味を楽しみたいという層が増加。映画や音楽の鑑賞のほか、前述の“楽器演奏”の人気も再燃し、楽器業界は2020年からV字回復しています。
改装のネックは施工費 規模や運用プランは綿密に
ただし、「居室を防音室へと改装する」となると、立ちはだかるのがコストの問題です。改装には、壁や床の防音工事、防音ドアや防音窓への交換などが必要となり、6畳で200~400万円はかかると言われます。賃料アップがどれだけ見込めるか、事前の綿密な分析が欠かせません。
また、そこまで費用をかけたくない場合には、「室内の一部に防音室」「共有スペースに防音室」などの方法も。1畳程度のボックス型なら、購入・施工で50~100万円程度、レンタルなら月額1万円程度からの投資で「防音室つき賃貸」が叶います。
ちなみに、防音室の希少性を活かして、居住用ではなく「時間貸し」で運用するという手もあります。広さ・エリア・用途・設備によりますが、防音室貸しの相場は1時間で1,000~3,000円程度。稼働が順調なら居住用より早く工事費をペイできる可能性もあります。