かねてより、江戸時代に制度化された大名の参勤交代に驚異を感じて、自分でも体験してみたいと漠然と考えていました。驚くべきは、そのスピードと規模です。
金沢で友人と飲みながら、加賀藩前田家100万石の参勤交代の話題になって、当時、江戸まで3000人から4000人が480キロを13日間で歩いた話を聞いて、彼らの体力にチャレンジしてみたくなりました。年寄りも居ただろうし、荷物も持っていただろうし、草鞋履きで、連日40キロを歩くとは、どんな体験なんだろう?
私は、70歳を超えましたが栄養状態も良く?靴も装備も格段に進歩しています。無理はないはずと考えて実行することにしました。一人道端の草陰に人知れず埋もれる覚悟で!?
金沢までのルートは、中山道を通り碓氷峠を越えて北国街道に入りますが、調べてみるとアップダウンもあり、かなりハードな行程のようです。そこで今回は断念し、ルートを奥州街道に変更することにしました。
仙台藩伊達家62万石の参勤交代ルートは、白河宿まで奥州街道を通り、そこから仙台道に入り仙台まで全360キロ、9日間の行程を2000人から3000人が歩いたようです。今では、ほぼ全行程に渡り東北本線が街道沿いにあるので何かの時に逃げられるのが初心者向きです。
2020年7月23日 7時半 日本橋
地下鉄を地上に出ると橋の下から水路の匂い。小雨模様で旅たちの気合が入らずも、横のトイレで雨対応に着替えてぼちぼち歩き始める。祝日でコロナもあって人影なく、濡れた路面が銀座のビル街にずっと続いている。
雷門から山谷を抜けて、千住大橋を渡り南千住駅のMacで朝飯。表に出ると雨が本降りに。横では、ロードバイクの若者が帰り支度。このまま帰ろうか?思うに、この時が今に至る計画実行の分岐点でした。
思いとどまり70㎝の傘を買い、大雨の中へ歩き出す。千住新橋を渡り荒川の土手を風雨に吹かれながら右折地点を大幅に超えて戻ることになる。2キロのロス。谷塚から草加の旧道ぞいの市街地を抜けて越谷へはいる。座って休むところが、なかなか無い。
春日部まで行くつもりで予約していたが、傘を手に下半身ずぶぬれで越谷駅に着く。今日はここまで。春日部まで電車。すぐマッサージ屋さんへ。
[日本橋~越谷] 25.8キロ @12’42″/キロ
7月24日 8時45分 越谷から
相変わらず、雨が降ったり止んだり暑くもなく、歩くのに良しとする。疲れが残っているが、小雨の中 越谷に戻り松並木の下を北へ。春日部の手前「とんでん」で昼食を摂るが、帽子を忘れる。普段から忘れっぽいが、疲れてきて注意力低下、前に歩く事にしか気力を出せなくなってくる。
14時杉戸町役場の中で涼もうとしたが、今日は日曜であった。前にベンチがあったのが救い。なんで、こんなに座って休めるところがないのだろう。一里ごとに椅子が欲しい。4号バイパスに入ると見渡す先まで一直線に道が続く。陽が差してきて暑い。パチンコ店に救われる気持ちで飛び込みボーと小休止。ここまでお友達だった傘を忘れてくる。幸手の市街地を抜けて、4号線をひたすら歩く。疲労濃く、沿道に何もない直線の道を歩いていると不機嫌になってくる。
日も暮れはじめ、やっと栗橋劇場のところまで来た。栗橋駅に18時半。すぐに友人とビール!
[越谷~栗橋]32.6キロ @12’48″/キロ