年が明ければ、いよいよ春のオンシーズン。内見者には少しでも良い印象を持ってもらいたいものですが、そのためには設備等の充実だけでなく「手入れが行き届いている」「安心して暮らせそう」と認識してもらう施策も重要です。
「首都圏賃貸住宅市場における入居者ニーズと意識調査2021~2022年」(21C.住環境研究会・株式会社リクルート)によれば、約6割の内見者が「管理状況を重視している」とのこと。ポイントを押さえた施策でイメージアップに取り組んでみましょう。
ゴミ置き場は清潔感第一
前述の入居者調査によれば、内見者が厳しくチェックしている場所のひとつがゴミ置き場です。ゴミ置き場は必然的に汚れる場所だからこそ、こまめな清掃やごみの散乱予防等の工夫が欠かせません。カラスよけのネットや、サッと掃除のできる箒とちりとりを常備するといった工夫のほか、ゴミ置き場そのものの汚れがひどい場合には、塗装のやり直しや集積所の作り直しについても検討しましょう。また、外からゴミが見えず、嫌な臭いも低減できるゴミステーションは、見た目・機能の両面から入居者の支持を集めます。設置スペースや費用面の都合がつけば、是非導入したいアイテムです。
駐輪場に放置自転車はないか
ボロボロの自転車が雑然と置いてある、そんな駐輪場も内見者にマイナスの印象を与えます。入居者が置きっぱなしで退去、居住者以外が投棄、などが考えられますが、こうした放置自転車をそのままにしては美観を損なうばかりか、入居者の使い勝手にも悪影響が。まずは管理会社等と相談のうえ、多少のコストと時間をかけてでも、放置状況の調査や持ち主の特定を進めましょう。撤去が間に合わない場合には、せめて内見者の目の届かない場所に一時的に移動を。
イベントを絡めて季節感を演出
建物に季節感はありますか? クリスマスやハロウィン、お正月など、季節のイベントを意識した装飾は、内見者や入居者に好印象です。決して派手な装飾は必要なく、エントランス等に花や季節感のあるちょっとした飾りを置くだけでも「入居者に気を配ってくれる」「大家さん、いい人そう」などのイメージにつながります。
植栽やライトアップの活用
花の可憐さや青葉の清々しさは、設備や間取りに関係なく物件の印象を高めてくれる頼もしい味方です。ガーデニングをされる方は、趣味と実益を兼ねて花壇にひと手間加えてみるのも面白いでしょう。ただし植栽は、定期的かつ継続的な手入れが必要となるため、植木屋・花屋に管理をまるごと委託してしまうのも一案です。
なお、エントランスやアプローチにシンボルツリーや花壇を設けている場合には、エクステリア照明を設置してライトアップもいいでしょう。夜間内見時の印象改善につながるほか、敷地内の暗がりが減り、入居者に安心感を与える効果も期待できます。LED、太陽光利用、センサーなど、照明器具もバリエーションが増えています。
共用廊下をスッキリと
せっかく雰囲気よく建物内に入ったのに、共用廊下が私物だらけでは内見者の印象も急降下。植木鉢や自転車、家具、洗濯物などをよく見かけますが、そもそも共用廊下に物を置くのは消防法上NGであり、管理会社と相談しながら入居者に荷物の撤去をお願いしていく必要があります。ちなみに、廊下の「傘」の放置もマイナスポイントですが、これは玄関内に傘を置くスペースがないために起こりがちです。マグネット式など省スペース型の傘立てをプレゼントして、室内に置くよう促すのもひとつでしょう。
人も建物も、第一印象の改善において最も重視すべきは「清潔感」です。上記5つの施策のほか、廊下・階段が泥やカビで黒ずんでいる場合には、高圧洗浄でピカピカにするのも手軽でオススメです。年末らしく「建物の大掃除」に挑戦して、気持ちよく内見者を迎え入れましょう。