自然災害が頻発している昨今ですが、まもなく訪れる”7月”は特に豪雨災害に注意が必要です。激甚災害に指定された「平成29年7月九州北部豪雨」「平成30年7月豪雨」のほか、記憶に新しい「熱海市伊豆山土石流災害」も2021年7月3日の出来事。所有物件の被災リスクを、市区町村の作成する“最新のハザードマップ”で把握しておくことが重要です。
リスク評価は変動あり、最新情報の取得を
万一の災害に備えて、物件所在地のハザードマップをチェックしたことのある方は多いと思いますが、そのハザードマップが数年ごとに更新されていることはご存じでしょうか。例えば、埼玉県は2021年に想定雨量を「概ね1000年に一度の大雨」に変更してマップの全面改訂を実施。また、同年5月には災害対策基本法が一部改正され、これに伴い全国でも多くの自治体がマップの見直し・更新を行ないました。
知らないうちに物件の被災リスクレベルが上がっていた、ということもあるため、建物所有者としては定期的に最新マップを確認しておきたいところ。ハザードマップは、洪水・内水・高潮・津波による浸水リスクを示す「水害ハザードマップ」と、土砂災害リスクを示す「土砂災害ハザードマップ」に分かれますが、どちらも豪雨で起こる災害であり両方の確認が必要です。まとめての確認には、国土地理院の提供する「重ねるハザードマップ」が便利です。
浸水エリア外でも豪雨対策を忘れずに
ただし、集中豪雨や台風による被害は浸水や土砂災害だけに留まりません。大雨による雨漏りや強風による飛来物の衝突、機械設備の故障・停電といった二次的な被害も考慮し、火災保険の内容や屋根・壁等の劣化具合についても事前に確認しておきましょう。 物件に土のうや止水版、緊急食料や水、ライト、電源などの防災グッズの備えがあれば、入居者の安心感や信頼感につながります。備えあれば憂いなし。この機会に現状を把握し、対策を考えてみてはいかがでしょうか。