夏真っ盛り、今年もエアコンはフル稼働しています。そんな中、「約7割の人が定期的なエアコン清掃を実施していない」という、ちょっと聞きたくなかった調査結果(※)が発表されています。この事実、賃貸経営者としてどう受け止めればいいのでしょうか?

入居者のメンテ不足が手痛い出費に

本来、エアコンは10年を超える稼働も見込まれる製品です。しかしそれは、あくまで「適度なお手入れ」が大前提。まったく掃除をされない状態では寿命も当然に短くなり、20年・30年と続く賃貸経営の中ではその交換費用が手痛い出費となり得ます。

掃除をしないエアコンの内部では、フィルターが埃で目詰まりを起こし、フィン(熱交換器)にも多量の埃がまとわりつきます。こうした状態は運転の負荷となって部品や電子基盤の劣化を促すばかりか、カビの温床となってあの独特の悪臭を生み出します。メーカーの推奨は、最低でも年1回の清掃。入退去時にエアコンクリーニングを実施するとはいえ、入居期間が4~7年程度であることを考えると、寿命維持への効果は限定的です。

エアコン清掃介入は、一石二鳥の施策

ならばいっそ、賃貸経営者が自らエアコン清掃に介入してみてはいかがでしょうか。例えば「契約更新のお礼」として、2年ごとにエアコン清掃をサービス、あるいは一部費用を負担して格安で清掃できるようにするのです。

清掃実施はエアコンの寿命を延ばすだけでなく、「空調の効きが良くなる」「電気代が安くなる」「カビによる健康被害(アレルギー、呼吸器の炎症等)の回避」など、入居者に多くのメリットをもたらします。住環境の改善は入居満足度の向上につながり、長期入居も経費削減も叶う一石二鳥の効果が期待できます。

ちなみに、エアコン清掃のベストタイミングは、残暑が引いて修理業者が落ち着く秋口。また、春の再契約・更新のピークを過ぎた5月頃もオススメです。

※セレクトラ・ジャパン株式会社による調査